原題 | Castle Amber(アンバー城) |
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邦題 | アンバー家の館 |
レベル | 3-6 |
人数 | 6-10 |
デザイン | Tom Moldvay |
開発 | Dave Cook,Allen Hammack,Kevin Hendryx,Harold Johnson,Tom Moldvay,Jon Pickens |
編集 | Harold Johnson,Edward Sollers,Steve Winter |
美術 | Jim Holloway,Harry Quinn,Jimm Roslof,Stephen D. Sullivan,Erol Otus |
テストプレイ | Tom Hanlon,Steave Kaszar,Rick Mansfield,Gordon Schick,Lawrence Schick,Jonathan Smuck,Ralph Wagner,Bill Wilkerson |
Special Thanks To | Clark Ashton Smith and CASiana Literary Enterprises, Inc., for use of the Averoigne stories as inspirational material. |
発売日 | 1981 年 |
日本語版発売日 | 1986 年 8 月 |
このアドベンチャーの解説は,友人であるいろと氏(e-mail : iroto@numse.nagoya-u.ac.jp)に書いていただきました。彼は非常に経験豊富なゲームマスターであり,今回のレビューにもさまざまなゲームで身につけたバランス感覚があらわれています。
「アンバー家の館」は Tom Moldvay 作のエキスパート・レベル用のシナリオです。少し概要を説明しましょう。
冒険者たちはひょんなことから霧に包まれます。気がつくと、冒険者たちは霧の中に一軒の館を見つけます。霧の中を進むよりは安全だろうと考えた冒険者たちはその館に入っていきました。しかしこの館は、もはや一家全員が正気を失ってしまったアンバー家の屋敷だったのです。アンバー家の住人からの妨害を逃れ、無事にパーティーはもとの場所に戻ることができるのでしょうか?(ヒント:できません)
あ、うそです。がんばればできます。
このシナリオは 3〜6 レベルのパーティー 6〜10 人程度で楽しめるようにデザインされているそうですが、少し難度が高く、シナリオにとって致命的な呪文はこのレベル近辺ではありませんので、初心者の方はもう少し高いレベルで挑戦されてもよろしいかと思います。あ、そうそう、新キャラでやる場合は相応のマジックアイテムも忘れずに。
このアドベンチャーをプレイするつもりのある DM のために,いくつか注意事項を記しておきます。プレイヤーの方はできるだけ読まないようにしてください。
名作の呼び声高いこのアドベンチャー,いろと氏も述べておられるように,その最大の魅力はといいますとやはりエキゾチック(荒唐無稽とも言う)かつデッドリーで予想もつかないエンカウンターが連続するというところにあるのではないでしょうか。もちろん魅力的なポイントはそれだけではなく,DMがストーリーに枝葉をつけようとしたときにおかしなことにならないよう,さりとてどこに枝をつけてよいかわからないということのないよう,背景設定がほどよく適当であること,またアドベンチャーをキャンペーンにまで膨らませることのできるワールドセッティング(のヒント)が用意されているといった部分も評価に値します。しかしながら実際に「いかれたエンカウンター」以外の魅力をこのアドベンチャーに付与できたDMというのはそんなに多くはないのではないでしょうか。
幸運なことに,1987年にはアンバー家のメンバーが貴族として暮らすグラントリ公国の設定資料集「GAZ3 The Principalities of Glantri」が,さらに1995年にはGAZ3のAD&D版である「Glantri-Kingdom of Magic」に加え,冒険者たちがふたたびアンバー家を訪れステファンの呪いを解くことになる「MARK OF AMBER」がTSRから発売され,アンバー家の世界にさらなる奥行きを与えてくれました。これらの追加情報を抑えた上で再びX2モジュールを読み返すと,新しい発見や思い付きが生まれるかもしれません。
ESDを眺めていて気付いたのですが,日本語版X2の発音ガイドは微妙に間違っているようです。そこで,ESDの表記と「Mark of Amber」についてきたCDドラマを参考に,いくつかのフランス語名について補足したいと思います。
まずは苗字の「ダンブルビル」ですが,初期の表記D'AmbervilleはGAZ3以降D'Ambrevilleに変わっています。フランス語的には後者が正しいのでこれでよいのでしょう。読み方ですが,基本的には「ダンブルビル」で合っています。しかし人(NPC)によっては,まんなかのeを発音して「ダンブレビル」だとか,あるいはねちっこく「ドゥ・アンブレヴィーユ」なんて言います。
次にステファンのフランス名Etienne。最後のeは発音せずに「エティエン」です。奥さんのCatharine(初期はCatherineと表記)も同様に「カトリーン」となります。兄リシャールの奥さんであるIsidoreは,sが濁って「イジドーア」または「イジドール」です。弟Charlesは「シャルル」でなく「シャール」,四男Simonは「シモン」でもいいのですが「シモーン」と発音するとよりフランス語っぽくなります。そのシモーンの妹マグダレーンの旦那であるAndré-Davidは最後のdを発音して「アンドレ=ダヴィード」です。末弟Henriも「アンリ」でいいのですが「アンリー」だとベター。とにかく,最後の伸ばしている音節を強調するだけでフランス語感がどんどん増します(例外もいっぱいですが…)。
伯母さんのMarie-Hélènは「マリー=エレン」でも悪くないですが,ieは伸ばさず勢いよく「マリエレーン」にしましょう。いとこのGuillaumeは「ジローム」でなく「ギヨーム」,道化師のプチ・サンジュは,最後のgeはほとんど聞こえないので「ペティ・サン」でいいでしょう。
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