D&D のむずかしさ

僕はいま,D&D のオフィシャルシナリオを使ってキャンペーンを行っています。だいたい 1〜1.5 ヶ月に 1 回っていうペースは,いまの僕にはちょうどいいペースです。で,そういうふうに定期的に同じメンバーで RPG を遊んでいると,考えさせられることもいろいろとあります。

D&D のオフィシャルシナリオってのは,どれも報酬がそんなに見こめなくて,PC に正義感が求められて,おまけにシナリオのバックグラウンドに関するヒントがとても少ないのが特徴です。特に,初期の頃に発売されたベーシック,エキスパートレベルのシナリオほどこの特徴は顕著です。で,そんなものばかり読んで育った僕は,「D&D の PC ってのは,とにかく好奇心旺盛で,向こう見ずで,正義感が強くて,あきらめずにがんばる人なんだ」って思うようになりました。だって,そういう PC でないとシナリオを進める動機がないんですもの。

ところが,D&D のシステムはそういう遊び方をフォローするようにはできていないんですよね。まず,ダイスを 1 個しか振らないので,乱数の幅が大きくて PC が死ぬ可能性が高く,いきおいプレイヤーは慎重になります。そして,レベルを上げるには法外な価値の財宝が必要なので,ただ働きはしたがりません。…そんなわけで,オフィシャルシナリオをプレイすると,話が全然進みません。これではいかんということで,プレイヤーがぐっと身を乗り出すようなおいしいシナリオを作らにゃならんなー,と最近思っているのですが,僕にはそんな気力も知恵もないので,かなりつらいです。

とりあえずいまのところ,プレイヤーに対してはいろいろといいわけじみたことを言っています。いわく,

…苦しいかなあ。

あと,余談ですが,僕が描いている RPG の主人公像ってのは「ハリウッド映画の主人公」だったんですが,プレイヤーに言わせると「水戸黄門」だそうです。うーむ。


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