METALHEAD Optional Rules

…これを全部読めって?
悪いけど俺は好きなようにやらせてもらうよ。

はじめに

本書は,メタルヘッドに少しばかりのリアリティと深みを与えるための追加ルール集です。中には基本ルールを変更してしまっている部分もありますが,そのような点についてはプレイヤーとよく話し合った上で,導入するかどうかを決めてください。

読んでみると,全体的にものが壊れやすくなっているのに気付くと思います。これは,壊れるのがランドブラスターの乗り物だけでは不公平だ,というのが一番の理由です。PC にランドブラスターがいなければ,もっと壊れにくくしてもよいかもしれません。

「PM」はプレーヤーズ・マニュアルの,「MM」はマスターズ・マニュアルの略です。また,メカニック(mechanic)という英語には「機械工,修理工」という意味しかないので,メタルヘッドでいうところのメカニックの呼称は「マシーン(machine,機械で動く乗物)」とします。

キャラクター

能力値

スキル

スキルの取得と使用法

ロール

キャラクターの成長

METALHEAD をプレイした GM から「特に戦闘関連スキルがとても上昇しやすく,長期に渡ってバランスをとり続けるのが難しい。先に攻撃した方が勝ち,という状態になってしまう」という意見があがっています。これに関して「1 シナリオあたりの上昇%を制限する」という方法が提案されましたが,本ルールでは以下のようにします。

戦闘

射撃・投擲

狙撃

「狙撃」に関するルールは大幅に変更します(個人的には,射撃と狙撃のスキルが別になっていることに納得がいかないのですが…)。今回のルール変更の目的は以下の通りです。

狙撃に関する様々な制限はルールブックにある通りなので,そちらを参照して 下さい。

  1. 狙撃ではまず〈火器〉スキルを用いて命中判定をおこないます(この時のサイコロの目と武器火力の和が最終火力です)。
  2. 攻撃が命中したら〈狙撃〉SR を行うことになります。このとき,前項において最終命中率を 1/2 にして命中判定を行っていれば〈狙撃〉SR は SR2 にできます。1/4,1/8 でも同様です。ただし最終命中率を 2 倍や 4 倍にすることはできません。また,〈狙撃〉SR でクリティカル目が出れば,必ず狙った部位に命中します。
  3. 〈狙撃〉SR に成功すれば対人・対マシーンに関わらず 2 回命中部位判定をおこないます。〈狙撃〉SR の成功率が 100% を超えるごとに,命中部位判定を行う回数は増えていきます(たとえば,〈狙撃〉SR の成功率が 256% あれば命中部位判定は 4 回できます)。宣言した部位に命中した場合クリティカルは発生せず,通常の火力で損害判定を 行います。対人狙撃の命中部位判定において 0 は「装備(アイテム)」,1 は「武器」に命中したことになります。
  4. 宣言した部位に命中しなかった場合,または〈狙撃〉SR に失敗した場合は,通常通り損害判定を行います。 命中判定のときに振ったサイコロの数値の末尾が 1 ならクリティカルが発生しますし,対マシーン射撃についてはもう一度命中部位判定を行うことになります。

対人戦闘

PM では,サイコロの目に武器火力や 100% をこえた分のスキル % などを足してから命中部位と効果を判定することになっていますが,これでは部位ごとの命中率が変わってしまうので,サイコロの目の末尾によって命中部位を判定し,その後火力などを足して効果の判定をすることにします。

ストーキング

PM では,ストーキングに成功した場合に得られる成果は,命中率への +40% または +100% の修正のみとなっています。しかしこれでは,自分より REF が高い相手に対してストーキングを試みて成功したとしても,自分の攻撃の前にあっけなく殺されてしまう,ということがあり得ます。そこで,自分の攻撃の命中率を上げるかわりに,相手の命中率を 40% または 100% 下げることもできることにします。格闘戦ならば,相手の〈格闘回避〉を下げることもできます。

格闘戦

クリティカル

損害の適用

エンジンへのダメージ

エンジンが CP 以上のダメージを被った場合,ACL が半減します(端数切り捨て)。

ドライブへのダメージ

ドライブが CP 以上のダメージを被った場合,細部命中表に「ドライブ(n 発で移動不能)」とあれば,REF が 1/n 減少します(端数切り捨て)。

人間の負傷

基本ルールでは腕部と脚部の左右は区別していませんが,これでは損害の適用がややこしくなるので,サイコロの出目の末尾が 2 なら左脚,3 なら右脚,4 なら左腕,5 なら右腕とします。しかしながら,ダメージ修正は左右どちらか重いほうの傷によるものだけを適用します。

負傷の回復

特殊な状況

マシーン

アクセサリー

マシーンの操縦

破損したマシーンの修理

サイバースペース

アクション

ネットジャンプ

ジャック・アウトはジャック・インしたのと同じネットにいるときでないとできません。また,AHP に犯罪行為を発見された場合,AHP オフィサーの目の前でジャック・アウトしたのなら,即座に肉体の場所(=端末やデッキの場所)が判明します。そこで,ネットジャンプによって追跡者を振り切る必要があるのです。AHP オフィサーの FP の方が高ければ,ネットジャンプは徒労に終わります。AHP オフィサーを振り切った(= AHP オフィサーが FP を使い果たした)あと(ジャック・インしたのと同じネットに戻ってきて)ジャック・アウトした場合は,AHP 本部の走査機がサイバースペース内に残された電子的軌跡をもとに肉体の場所を割り出します。基本成功確率はローカルネットなら 50%,メジャーネットなら(メジャーネットにジャック・インすることはそうはないでしょうが)100% です。ネットジャンプの際消費した FP に応じて成功確率が下がります。

ネットジャンプで追跡者を振り切れそうにないときは,ジャンプ中のドッグファイトで追跡者を撃墜するよう努めるしかありません。もちろん追跡者が仕掛けてこなければドッグファイトは発生しませんから,そのときは成す術がありません。おとなしく捕まりましょう。

ドッグファイトでも逃げ切る自信がないときは「飛ばし屋」の出番です。彼らの用意した回線を利用すれば,FP を消費せずにネット間を移動することができる上,追跡者は FP を消費してネットジャンプを行わねばなりません。ただ,FP を消費しないということは AHP の走査機による探知成功率を低下させないということなので,その点を忘れないでください。

一番よいのは,使用した端末に余計な痕跡を残さず,その場から迅速に離れることです。端末を使うのなら他人の ID でジャック・インすればしばらくは AHP を欺けますし(自宅の端末だと言い逃れは難しいでしょうが),デッキなら持っているところを AHP に見つからないようにすればいいのです(ちょっとそのデッキのアクセス・コードを調べさせてくださいね…おや,このデッキは最近犯罪に使われたことがありますねえ。ちょっと署まで来てもらえますか…)。

ハードウェア

パーツの入手確率

各種カスタムパーツには入手確率が設定されています。入手チェックに失敗したら,シナリオ(もしくはセッション)が終わるまでそのパーツに関して再びチェックすることはできません。入手チェックに成功すれば,引き続きチェックすることができます。価格は入手チェックに成功してから決定されます。

サイバー化

サイバーパーツ

サイバーアイ
有効なのは 50 m より遠くの敵に対して攻撃するときのみです。近くにある対象物はもともとよく見えているので,サイバーアイの効果が薄いのです。片目だけでは装着できず,これによって PER が上昇することはありません。
サイバーレーザーサイト
どういう仕組みなのか全く想像がつかないので,このパーツの存在は忘れてください。
サイバー狙撃サイト
有効範囲は 200 m 以内です。+50% は〈火器〉〈狙撃〉各スキルに自由に振り分けることができます。命中率に振り分けるのではないので注意して下さい。狙撃スコープと同時に使用することは不可能です。
サイバー IR ビジョン
有効範囲は 50 m です。サイバーアイに内蔵するのが普通ですが,肉眼でも使用できるように,サングラス型,片眼鏡型のものもあります(これらの製品は,映像を網膜投射するようになっています。オートプロテクターに装備されているのもこのタイプで,普通の眼鏡にくらべるとかなり着脱が面倒です)。他のサイトとの共用も可能ですが,目をサイバー化していない場合かなり大型のものになります。両目とも取り付けないと夜間の最終命中率は 1/2 になります。また,通常の IR ビジョンでは個体識別はほぼ不可能です。
各種知覚センサー
PER 18 までは,視覚神経,聴覚神経に介入して情報の差別化,増幅を行うため生身の目や耳が使用できますが,PER 18 をこえる場合は視野のズームや聴覚検出限界の強化を行うため,目と耳をサイバー化していないと取り付けることができません。
サイバーアーム
取り付けの際には,それまで使っていた腕の筋肉を移植するため,STR が上昇することはありません。そもそも腕だけ強化しても,全体としての STR はそれほど向上しないものです。
ハードクラッシャー
ハードパンチャーと同時設置は不可能です。中に仕込むショットガンは「12 ゲージ ショットガン」です。オートショットガンはカートリッジの大きさや信頼性などの問題から,体内に仕込むことはできません。
ブースターレッグ
太ももには収納スペースはありません。
神経および筋肉強化
強化は全身にわたって施すため,強化によって能力値が 18 をこえる場合は,頭以外の全てをサイバーパーツにしなくてはなりません(PM の 59 ページを参照)。
特殊繊維皮膚
このサイバーパーツの防具としての性能は,ENC 0,装甲効果 A50/90%,効果箇所 全身,耐火および耐電磁気となります。
サイバーヘッド
このサイバーパーツは外骨格のみであり,サイバーアイ,サイバーイヤーなどは別途購入する必要があります。希望するなら生身の目も使用可能です。サイバーイヤーは左右セットで $800です。
ケミカルリンゲル液
ケミカルリンゲル液の交換時間と量は,強化筋肉は 1 箇所につき 1 週間で 2 リットル,オートプロテクターは 30 時間で 4 リットル,フルボーグは 1 回の交換で 8 リットル,コンバットシェルなら 24 時間で 20 リットル(ENC 10,$50)です。長旅に出るときは補給用のケミカルリンゲル液や流動食を忘れないように。

バイオ系サイバーパーツ

バイオ系サイバーパーツの価格は,非バイオ系の 4 倍ほどです。セルクリームによる細胞修復が可能です(多少効き目は落ちますが)。

強化人工筋肉
バイオ系の筋肉を使うと,ケミカルリンゲル液は不要になります。そのかわり,消化器官に非バイオ系パーツを使った場合は流動食を通常のサイボーグの 4 倍摂取しなくてはいけません。

サイバーリンク

武器・防具・その他

武器

武器の破壊
HP が設定されている武器は,マシーンに搭載されていなければ A10/60% の装甲(ステンレス相当)を持ちます。武器に対する狙撃が命中した場合,武器が破壊されなくても STR の AR(目標値は狙撃に使用した武器の火力 +10)に失敗すると武器を取り落としてしまいます。また,爆発によるダメージで武器などの装備品が壊れることもあります。
テイザー
テイザーによるダメージから来る心理効果は「ノックアウト」の欄を使用します。また,心理チェックの際のサイコロの目に −3 の修正が加わります。
5.56 mm オートライフル
口径は小さいですが,装薬量は拳銃弾よりも圧倒的に多いので火力は 30 とします。
7.62 mm アサルトライフル
火力は 40 とします。
7.62 mm バトルライフル
火力は 40 とします。
スナイパーライフル
火力は 10 とします。
ショットガン
ショットガンは爆発物扱いですが,人間に命中しても中心火力が適用されるのは命中箇所のみとします。あとは周辺火力を使用します。
7.62 mm LMG
火力は 40 とします。
120 mm 無反動砲
PM では対人効果が「×」になっていますが,これに対する妥当な理由が思い浮かばないため,人間に当たったときは爆発しないということで,火力を半分(60)として使用できることにします。
火力を持たない武器
火力を持たない武器は最終命中率が 2 倍になり,命中したときのみ期待した効果が得られます。ただし,ソリッドシューター用粘着弾および帯電ペイント弾,そして昼間に発光弾で攻撃する場合を除きます。
催涙ガス弾
催涙ガス弾が命中し,WIL の AR に失敗した場合,AR または SR を必要とするような行動はとれません。
発光弾
発光弾で攻撃する場合,目標が後ろを向いているならば最終命中率は 2 倍にはなりません。昼間,後ろを向いている目標を狙うなら,最終命中率は 1/2 になります。
特殊弾
特殊な弾頭には以下のような制限および変更点を設けます。
テフロン弾
この弾頭を使用すると,火器の火力値と目標の装甲値が両方とも半分になります(つまり,火力値よりも厚い装甲を持つ目標に対してのみ有効です)。
シルバーチップ弾
この弾頭を使用すると,火器の火力値と目標の装甲値が両方とも 2 倍になります(つまり,火力値よりも薄い装甲を持つ目標に対してのみ有効です)。

防具

各種装備品

ドラッグ


このページの制作者は焔揺介(ほむら ようすけ)です。ご意見・ご感想など遠慮なくお寄せください。